白金コラム
2026年2月16日(月)更新
10,000円以下は買いの域か
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

2026年に入り、NY金やNY銀価格が大きく反発し、1月29日にはNY金4月限で5626.8ドルまで高値を試し、NY銀も120.57ドルまで高値を試している。そのため市場の過熱感が高まり、世界の取引所は投機の抑制に動きだし、CMEグループ(シカゴ・マーカンタイル取引所、シカゴ商品取引所、NYマーカンタイル取引所、NY商品取引所)は証拠金制度の見直しを行い、COMEX100金先物の初期証拠金比率を5%から6%、8%、9%と引き上げ、COMEX5000銀の証拠金比率も9%、11%、15%、18%へと引き上げるなど抑制の処置を行っている。
特に過熱感が非常に高まった中国市場では、中国黄金取引所、上海商品取引で証拠金の引き上げを実施し、1月30日にUBSの銀先物ファンドを含む5つの商品ファンドの取引を停止し、また2月2日には複数の銀行が貴金属相場の変動リスクに警報を鳴らし、一部の銀行は証拠金の要件を強化し、金属購入のための借り入れ可能額を制限している。
大阪取引所も金標準の証拠金を12月29日の1,181,000円から2月9日には2,752,000円まで引き上げ、銀も1,044,000円を2,250,000円まで引き上げている。
そのため世界的な投機の抑制を受け、NY金は2月10日に5,031ドルで推移し、NY銀も80.38ドルで推移している。
ちなみにNY白金は、1月26日に2,925ドルまで高値を試すも2月10日には2,100ドルで推移している。
ただ大手投資銀行は、次期FRB議長がタカ派のウォーシュ元FRB議長をトランプ大統領が指名したが、根本的な金を取り巻く環境に変化はなく、ドイツ銀行は2026年の金価格の予想を6,000ドル、UBSも6,200ドル、ソシエテジェネラルも6,000ドル、ゴールドマンサックス5,400ドルへ引き上げている。
特にプラチナでは、大手投資ファンドのブラックロックは大手プラチナ鉱山のシバニースチールウォーターの保有株を5%へ引き上げ、またノーザムプラチナの持ち分も5%へ引き上げている。
また南アフリカのケープタウンでアフリカ最大の鉱物投資会議が開催されている中で、シバニースチールウォーターCEOはプラチナ価格が高値から1.6%の下落を行っているも「新たな、より高い価格の下限が確立された」と考えていると述べ、「価格は引き続き変動し続けると思います。でも1年前の低基準には戻らないと思う。それは低すぎる。それは持続不可能だった。」と言及している。
特に世界は、中国のレアアースの規制御強化で重要鉱物に対する危機リスクが高まりを見せており、トランプ政権は重要鉱物の備蓄を発表するなど、重要鉱物の指定を受けているプラチナ、パラジウムには価格の下値支えとなる要因である。
また3月4日にはWPIC2025年第4四半期PGM需給報告の発表が予定されており、前回の2026年0.6トンの供給過剰の予想が供給不足へ変化するのか見極めが必要になると思える。
そのためNY白金は、2,000ドルを維持する値動きを続ける可能性が高く、大阪取引所の白金標準先物も10,000円を固める値動きを続け、4桁の価格への回帰は難しい状況に思える。







































