HOMEマーケット信用逃避で10000円の攻防(白金コラム)

信用逃避で10000円の攻防(白金コラム)

白金コラム

2026年3月16日(月)更新

信用逃避で10000円の攻防

田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)

国内白金 週足

イスラエルと米国がイランを攻撃し、最高指導者ホメイニ氏を殺害する成果を挙げるも、イラン革命防衛隊は世界の原油輸送の2割を占めるホルムズ海峡を事実上の閉鎖を実施したことから、原油価格は2008年以来の100ドルを超える値上がりを見せている。

特にイランの原油積み出しの90%を占める重要拠点であるイランのカーグ島の軍事目標を米国軍が空爆し、イランがエネルギー輸送を妨害し続ける場合には、同島の石油インフラを標的に新たな攻撃を行う可能性があると警告している。

特にカーグ港から原油を輸入している中国にとって大きな痛手となる可能性が高く、米国は重要鉱物であるレアアースの輸出規制を行う中国に対してベネズエラに続き、イランからの原油輸入を絶つ動きを見せている。その効果は出ており、中国は国内大手の石油会社に対して備蓄放出を停止する様に通達を出している。

そのため世界の原油市場では、ベネズエラに続きイランも米国の攻撃で石油採掘が止まる可能性が高まり、すでにイランの攻撃で湾岸諸国は、備蓄タンクの満タンから石油採掘を制限するなど、世界的に原油採掘が止まる動きにある。この状態で原油価格が下がる可能性は皆無であり、史上最高値である147ドルに向けた動きが続くと思われる。

特にマーケットでは、原油価格の高止まりや終わりが見えないイラン戦争に、不確実性が高まった事から市場から資金を引き揚げる動きを見せている。7日には大手投資顧問のブラックロックが急増する解約請求を受け、260億ドル(4兆円)規模の旗艦プライベート・クレジット・ファンド(HLEND)からの引き出し制限に踏み切っている。また金融大手モルガンスタンレーは、プライベートクレジットファンドの一つについて償還上限を設け、投資家からの請求の半分弱を払い戻すことにしている。投資顧問クリフウォーターが運営する旗艦プライベートクレジットファンドも、第1四半期の解約を7%に制限するなど、マーケットからの資金流失が拡大している事を物語っている。

通常であれば、原油価格の上昇に伴うインフレの高まりは、通貨の価値を弱めることから金価格がヘッジの役割を増すが、今回はFRBの利下げ観測が後退し、米国債が売られて金利が上昇し、そこに石油産出国である通貨のドルが買われる動きも重なり、ドル高の動きに抑えられ金価格は、イラン戦争開始から金標準先物で一時28420円まで高値を試すも14日は26808円まで下値を模索するなど、1612円高値から下げている。また白金標準先物も11983円から10302円まで1681円の下落を見せている。

そのため今しばらく逃避の動きが収まるまでは下値模索の値動きに注意が必要であり、白金標準先物は一時的に4桁を試す値動きに注意が必要である。