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9月10日のWPIC第2四半期PGM需給報告待ち(白金コラム)

白金コラム

2025年9月1日(月)更新

9月10日のWPIC第2四半期PGM需給報告待ち

国内白金 日足

特に世界のプラチナ供給量の70%以上を占める南アフリカ鉱山会社は、2023年から電気自動車移行に伴う化石燃料自動車の需要減退に伴い、金属価格低迷の悪影響を受け、鉱山コストの高止まりから鉱山生産の減少に、新規プロジェクトも停止している。

ただNY白金は、昨年末の910.5ドルから今年8月29日現在で終値が1370.5ドルとなり、3年連続の供給不足にトランプ大統領の相互関税発動に伴うリースレートの上昇、金価格の大幅上昇に伴い中国のプラチナ宝飾需要のプラチナ輸入増加などを受け、今年の上昇幅が460ドルと昨年末から50%の上昇率となっている。

しかしノースアム・プラチナの最高経営責任者(CEO)は「最近のプラチナ価格上昇はPGMセクターに一定の救済をもたらした」と述べているも「プラチナ業界全体で維持可能な採掘を支える水準にはまだ達しておらず、新たな操業開発に不可欠な水準には到底及んでいない」と発言している。

また世界プラチナ投資協議会(WPIC)も過去3ヶ月の価格上昇だけでは既存の鉱山供給の増加を刺激する可能性は低いと示している。

特に南アフリカのプラチナ鉱山は2008年に81のPGM坑道が稼働していたが、現在では53の坑道であり、今後の減少が続くと予想されており、南アフリカのプラチナ供給は価格が更なる上昇を演じるまでは増加は難しい情勢である。

そのため9月10日にWPIC第2四半期PGM需給報告が予定されており、前回5月の30トンの供給不足や地上在庫が需要をカバーする3ヶ月分が更に減少するのか見極める発表になると思える。

そのため白金標準先物も5700円を割り込む可能性は低いと思われ、底張りから更なる高値を試す可能性は高まると思える。