白金コラム
2026年9月28日(月)更新
需給に勝るもなし・・
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

2026年も第3四半期が終わり、今年の白金標準先物は投機の過熱感で年始早々に先物取引が開設されて初めて10,000円を超えて13,779円まで高値を試している。特に米国や中国市場が証拠金の引き上げや取引の一時停止など、投機抑制の動きを受け一時8,662円まで下値を模索している。
しかし行き過ぎた抑制の緩和に需給見直しの機運が高まりを見せ11,983円まで戻りを示すも、米国とイスラエルがイランを空爆し、イラン戦争が勃発すると原油積み出しの重要航路であるホルムズ海峡の閉鎖に伴うエネルギー価格の上昇を受けたインフレ懸念を引き金に金利高・ドル高の動きが強まり、リスク逃避から白金標準先物は8,479円まで下値を模索している。
ただ一時的な停戦協議の動きも入り、リスク緩和に伴い買い戻しの動きを続ける中で、WPICやJM社、メタルズフォーカスなどプラチナ需給報告で3年連続の供給不足を予測するなど、供給不足商品を確認する発表もあり、10,934円まで戻りを見せている。
しかしホルムズ海峡の停戦期間も過ぎ、ホルムズ海峡の閉鎖が続く中で原油価格の高止まりや、紅海におけるフーシ派のサウジアラビア港への攻撃などで軽油価格の上昇からインフレ懸念が強まるとFRBはFOMCで0.25%の利上げを実施し、年内2回の利上げを予測するなど、FRBはインフレ抑制に動きを強めるなど、金利を生まない金価格が抑え込まれる動きを見せ、白金標準先物も8,500円~9,500円のレンジ内で上下を繰り返している。
ただ投機抑制やイラン戦争、インフレ抑制の動きなどを受けても、8,500円以下では下げ渋る動きを見せており、相場格言に「需給に勝るものなし」が存在するように、3年連続の供給不足商品であり、地上在庫が世界的な需要3.5ヵ月分しか存在しないことなど、外的な要因だけで売られ続ける商品でもなく、年後半は9,000円から10,000円のレンジへ変化してくると思える。
特に10月は、広州先物市場で始まったプラチナ先物で10月限の初めての受け渡しが行われる月でもあり、もし10トンを超える現受けが実施された場合は、世界的な需給バランスにおいて更なる供給不足が加速する状況でもある事から白金価格は下値を切り上げ続け、年末には10,000円へ再度トライする値動きになると思われる。
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