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2026年4月13日(月)更新

地政学的なリスクはあれど需給は10,000円をキープ

田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)

国内白金 週足

2月28日に米国、イスラエルがイランの最高指導者ハメネイ氏を空爆で殺害し、イラン戦争が勃発し、6週間が経過している。その間、白金標準先物は11,983円の高値から一時8,478円まで下値を模索し、3,505円の下落を行っている。

この下落は、突発的に起こった戦争要因を受け、エネルギー価格が大幅な上昇を行った事から、逃避のドル買い(ドル高)の悪影響を受けたドル建て価格の下落が根底にある。

ただトランプ大統領やイランのアラグチ外相の停戦協議に前向きな発言が聞かれ、イランに対する攻撃期限を延期する過程でWTI原油先物が100ドルを下回る落ち着きを見せるなど、リスク緩和に伴い9,000円を回復し、2週間の停戦が合意した事から10,631円まで戻している。

特に今回のイラン戦争では、ペルシャ湾沿岸諸国で産出する石油の重要な搬出路であるホルムズ海峡が閉鎖され、原油が手に入らない事から、多くの国ではガソリン価格の上昇を招くなど、エネルギー価格の上昇の悪影響が世界経済のサプライチェーン全体の混乱に結び付く可能性は秘めている。

そのため今回の事件を機に、エネルギー政策の見直しが進むきっかけとなる可能性は高く、自動車産業でも従来の化石燃料に頼る構図はリスクが高く、電気自動車の見直しや水素自動車の復旧が進む動きが加速する様に思える。

特に南アフリカのヴァルテラ・プラチナは、3月27日に発表した2025年年次報告書の中で「水素経済は、短期的な課題はあるものの、世界的な政策がより支援的になるにつれて、幅広い需要セクターとなり、強い成長を遂げる見込みであり、プラチナ系金属(PGM)が水素の生産と利用の重要な触媒である」と指摘している。

また南アフリカのプラチナ鉱山ではイラン戦争が短期間のコスト緩和を逆転させ、燃料価格を押し上げ、ランドを弱め、原材料コストの新たな急騰を引き起こしたと警告している。特に鉱山コストの割合は人件費が25%を占めており、コスト削減では一番に人件費が削減される。既に南アフリカの電気料金は4月から前年比でほぼ99%増加している状況であり、今回のエネルギー価格の上昇でプラチナ鉱山のコスト高に結び付くのは間違いないと思える。

そのため一時的に地政学的なリスクの高まりを受け、下値を模索する値動きも3年連続の供給不足やイラン戦争におけるエネルギー政策の変更、鉱山コストの増加など受け、NY白金で2,000ドル、白金標準先物でも10,000円を下回る可能性は低く、将来的な買い場の提供に思える。

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