白金コラム
2026年10月26日(月)更新
2027年に向けた買い場の提供か・・
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

2026年の白金標準先物は、1月に13,779円まで高値を試すと先週には7529円まで下落している。特にイラン戦争に伴うエネルギー価格の上昇でインフレ高の動きやAI関連企業の社債発行に伴う過剰投資で、国債の需要低下に伴う金利上昇など、景気抑制の動きを余儀なくしたFRBは、9月のFOMCでFFレート誘導目標を2023年7月以来、0.25%引き上げを実施している。
またAI投資でエヌビディアが出資する人工知能(AI)向けクラウドサービス大手コアウィーブなどAI関連のハイテク株が売られるなど、10月に5日間で25%の下落を見せている。
先週には、世界で65%近く使われているプログラミング言語「PHP」に、大きな欠陥が見つかり、金融機関のウェブサイトや企業のアプリ決済が止まるなどの事態に発展し、逃避の動きに貴金属から非鉄金属など幅広く売られる動きを見せている。
また自動車触媒需要の4割を占める欧州では、フランスの財政懸念や政情不安からフランス10年債が2002年7月以来の5%を超える動きを見せるなど、2012年の南欧リスク以来の混乱を見せている。そのため欧州通貨ユーロが対ドルで売られており、一時1ユーロ:1.1118ドルまで低下している。
特にユーロドルは、8月には1.1711ドルで推移いたが、1.1118ドルまで下げており、白金価格も8月の高値9,653円から先週には7,529円まで下落するなど、このユーロ安が白金価格を押し下げる要因の一つに挙げられる。
しかし22日のメタルズフォーカスの「プレシャスメタル・ウィークリー」ではCMEの運用資金によるポジションも大幅に変動したが、投機筋は2026年に入ってから現在に至るまで、全体としてネットロングポジションを維持していると指摘し、また「プラチナ価格の変動は、金融政策に対する見通しの変化、地政学的な不確実性、および投資家のポジションの変動を反映している。世界的なエネルギー市場の混乱や、根強いインフレ懸念が、金利見通しを複雑化させている」と記載し、それにもかかわらず2026年の工業用プラチナ消費量は、主にAI関連の投資に支えられて増加すると予測されている。
そのため需給に乖離した価格が現状であり、そのため長期に渡り継続する要因でもない事から、リーマンショック、ソブリン債リスク、コロナ過の値動きと同様に巻き戻しの値動きが強まると思え、8,000円以下の白金標準先物の価格は2027年に向けた買い場の提供に思えてならない。
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