白金コラム
2026年7月13日(月)更新
陰の極入りの白金価格・・
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、経営再建のため、車種を最大半減させることなどを盛り込んだ計画を発表している。ドイツメディアによると、10万人規模の人員削減やドイツ国内で4工場の閉鎖も検討。実現すれば、自動車業界で過去最大のリストラになる可能性があると報じている。
過去にも2015年9月米国環境保護局(EPA)が、VWの一部の車が排出ガス規制を逃れているという報告では、ディーゼル車とガソリン車の排気ガスのNOx(窒素酸化物)と、CO2(二酸化炭素)の2種類の、排出量の数値の不正を受け、ディーゼル車の販売不振から自動車触媒需要の低迷の思惑で、一時白金価格は売り込まれている。
ただVWの偽装問題も価格低迷時期も短期間であり、最後は巻き戻す動きを見せている。
またWPICは、5年間の需要展望の中で、現在のホルムズ海峡の悪材料について、今の時点でイラン戦争の影響を完全に捉えることは困難であるも、自動車や工業セクターへの二次的な影響がプラチナ需要に一時的な重圧となる可能性はあると記載している。
しかしメタルズフォーカスは2026年を含めたプラチナ市場は、2030年まで年平均 10.3トン の供給不足が続くと予測するなど、中東情勢を受けても需給に混乱をもたらす可能性は低いと思われる。
特に上海プラチナ・ウィークでは中国のプラチナ地金およびコイン市場が急速に拡大しており、2018年にはごくわずかな規模であったが、近年には推定404,000オンス(12.5トン)にまで成長すると見込まれている。またプリント基板の需要拡大を通じてAIがPGMの需要を牽引している実態が挙げられるなど、自動車触媒需要の低迷を宝飾需要や半導体需要が補う構図が指摘されている。
また昨年に上場された広州先物取引所(GFEX)での先物・オプション取引の開始に伴い発展し、価格発見機能の向上に寄与したとされており、プラチナの未決済建玉は平均で約62万オンス(19.2トン)、1日平均取引高は18万6,000オンス(5.8トン)となっている。
そのため白金標準先物もイラン戦争やインフレに伴う利上げ観測の思惑などで7,714円まで売り込まれたが、様々な悪材料を受けるも8,000円を回復しており、織り込まれ過ぎた反動に備えるのが妥当に思える。
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