白金コラム
2025年11月25日(火)更新
2026年も供給不足の改善は望めないため、8250円超えに備える
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

WPIC第3四半期PGM需給報告では、2025年の需給バランスの予測では、第2四半期の26トンの供給不足予測に比べ4トン減少の22トンの供給不足を示唆し、3年連続の供給不足が指摘されている。また2026年の初回の需給バランスの予測では、0.6トンの供給過剰を示唆している。
しかしこの過剰の説明で、「貿易摩擦の緩和を想定したものです。こうした緊張が続く場合は、2026年もプラチナの供給が需要に追い付かない可能性が高いでしょう。」と記載されており、需要の中でもETF残高が5トン減少し、取引所在庫も5トン減少している。
そのため貿易摩擦の緩和の想定が崩れた場合は、需給バランスは9トンの供給不足へ悪化する可能性が指摘されている。
特に2024年第3四半期PGM需給報告では、2025年の初回の需給バランスの予測でも17トンの供給不足を示唆していたが、今回の2025年第3四半期PGM需給報告では、22トンの供給不足まで拡大しており、2026年も同様な動きなる可能性は強まると思われる。
その状況下で中国の広州先物取引所で、プラチナとパラジウムの中国初のデリバティブ取引が始まる。特に特徴は受け渡し共用品が世界初のスポンジ(粉末)を採用することで、宝飾や工業品の加工しやすい利便性を高めた事であり、アジアの指標になる可能性が高まると思われる。
また現在のロンドン市場のリース市場でプラチナの1ヵ月物リースレートが11%で高止まりする動きを続けており、この状況が続くようであれば、リース市場を回避し、現物購入へ変更する可能性が高まると思え、そのためWPICで指摘する供給過剰の予測でも価格が下落する可能性は低く、また地上在庫も2025年の99トンから2026年の予測で100トンへ増加する程度であり、価格に大きなインパクトを与える動きにならないと見られ、底堅い値動きが続くと思える。
そのため現在の白金標準先物は、9月末から7000円以下で底堅い抵抗をし続けており、WPICの需給報告もあり、2026年に向け更なる高値を試す可能性は強まると思え、7000円以下ではロングポジションを構築するのが妥当に思える。
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