白金コラム
2026年8月10日(月)更新
白金標準先物は10000円へ向けた回帰相場の始り・・
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

2026年のNY白金は、1月26日に2,925ドルまで高値を試すも、世界的な投機の抑制に抑えられ1,806ドルまで下値を試している。ただ行き過ぎた抑制の反発に3月2日には2,450ドルまで自律反発を見せるも、米国とイスラエルがイランを空爆するイラン戦争が勃発すると原油高に伴うインフレ懸念から、貴金属を押し上げていた利下げ観測が後退し、停戦協議を続けるも合意に至らない状況が続き、7月1日の安値1,539ドルまで下値を試している。
ただ5ヶ月間の中東情勢を織り込みながら、今年の高値2,925ドルから1,539ドルまで1,386ドルの下落を行っており、悪材料の織り込みを続けた結果に思える。
しかし2024年以降のプラチナの需給バランスは、供給不足を3年連続で続ける予想であり、昨年11月の1,500ドルで下げ渋る値動きを見せるなど、需給で見た下値に相当する値動きに思われる。
特にドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、経営再建のため、車種を最大半減させることなどを盛り込んだ計画を発表している。ドイツメディアによると、10万人規模の人員削減やドイツ国内で4工場の閉鎖も検討。実現すれば、自動車業界で過去最大のリストラになる可能性があると報じており、自動車触媒需要が多いプラチナにとってはマイナス要因となる。
しかしヴァルテラ・プラチナのCEOであるクレイグ・ミラー氏は、AI分野でのPGM(プラチナ・グルーム・メタル)の使用について「保守的に見て、現在AI関連の開発で使われているPGMはおそらく20万オンス(6.2トン)から30万オンス(9.3トン)程度で、今後5〜8年でその数は4倍か5倍に増加すると見込まれます」と語っており、上海プラチナ・ウィークでも中国の「第15次五ヵ年計画」でAIがPGMの需要を牽引している実態が挙げられるなど、自動車触媒需要の低迷を宝飾需要や半導体需要が補う構図が指摘されている。
またメタルズフォーカスは2026年を含めたプラチナ市場は、2030年まで年平均 10.3トン の供給不足が続くと予測するなど、中東情勢を受けても需給に混乱をもたらす可能性は低いと指摘されている事など、現在のNY白金で1,500ドル~1,600ドルは、昨年11月同様に底張りの位置と見る事が妥当であり、その値動きが先週の反発に結び付いていると思われる。
そのため白金標準先物でも、8,000円~8,500円で底値レンジを7月で固めており、従来の8,500円~9,500円のレンジへ回帰した値動きに思われる。
特にアノマリーで見た白金相場の値動きも8月から9月に掛けて上昇傾向が強く、10,000円に向けた戻り基調を強めた値動きが続くと思える。
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