白金コラム
2026年7月27日(火)更新
強気を維持する時間・・
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

イエメンのイラン支援のフーシ派が紅海でサウジアラビアの2隻のタンカーを攻撃し、米国とイランは13日連続で攻撃を交わしている。そのため原油は5%以上上昇し、1バレルあたり100ドルに迫り、2年物米国債利回りは6セッション連続で上昇している。そのため「金利を生まない金」は一時4,000ドルを割り込む動きを見せ、FRBが来週FOMCで利上げを行う確率の30%まで上昇し、また9月FOMCでの利上げ確率を高めている。
ただその状況下でドル建て貴金属は、NY金で4,000ドル、NY白金では1,600ドルの抵抗を見せており、5月以降の下落基調が売り材料を受けても下げ渋る値動きを見せるなど、俗に言う「陰の極入り」を示す値動きを行っている。
特に米国とイランの紛争長期化の懸念が主要国の財政赤字拡大の警戒感を強める事から、逃避の需要が拡大する動きに結び付く可能性が、金価格を下支えする動きに結び付いている状況でないかと思われる。
トロントに拠点を置く証券会社メゾン・プレイスツ社長のジョン・イング氏が発表した論文で、米国の債務増加と中央銀行の買いが金の強気相場を拡大させる中、金は1オンスあたり6,000ドルまで上昇する可能性があると予測している。
また世界の中央銀行は第1四半期に244トン、5月にはさらに41トンの金を購入し、これは昨年11月以来最大の月間追加となり、中国は20ヵ月連続で約15トンを追加し、6月末時点で保有量は2346トンに達している。またポーランドは前半に82トンを購入するなど、世界の中央銀行の金購入は衰えていない。
白金価格においても上海プラチナ・ウィークにおいて中国の「第15次五ヵ年計画」でAIがPGMの需要を牽引している実態が挙げられるなど、自動車触媒需要の低迷を宝飾需要や半導体需要が補う構図が指摘されている。
また南アフリカでは、アフリカの70%のデーターセンターが集約され、消費電力の拡大や水問題が持ち上がっており、供給に対する懸念が付きまとう状況でないか。
特に2027年は5年ぶりの賃金交渉が行われる予定であり、鉱山会社は価格上昇に伴い高収益を挙げており、株主に対して高配当を配るなど、鉱山労働組合は大幅な賃上げを要求する可能性は高く、白金価格を押し上げる要因に結び付く可能性は高まると思え、現在の8,200円~8,500円は長期に渡り、買い場を提供している時間帯に思える。
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