白金コラム
2025年11月10日(月)更新
2026年に10000円を狙う白金標準先物・・
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

トランプ大統領の関税政策で、ロンドン市場からNY市場へ関税を狙った金現物の移動が話題に上がると、銅に対して関税を課すと発表し、銅価格も上昇を見せている。また通商法232条に基づき重要鉱物に対して関税を課す可能性が高まると、シルバーが重要鉱物の指定を受けた事からシルバーの価格も上昇に拍車を掛けている。
PGMのプラチナとパラジウムは、すでに2022年に重要鉱物の指定を受けており、関税の可能性が残っていることから価格は高値を維持している。その重要鉱物に関税を課す基礎となる60品目のリストを米国地質調査所(USGS)が先週に発表しており、関税を課す可能性が強まっている。
特に今回、中国がレアアースの輸出規制強化を打ち出し、西側諸国は半導体製造に不可欠なレアアースが中国の承認を受けなければ手に入らない事態となるなど、トランプ大統領は中国に対して急遽100%の関税を課すと発表し、米中首脳会談でレアアースの輸出規制強化を1年延期で合意している。
その意味合いからでもトランプ政権は、投資と認可決定の指針となり、政府の鉱物戦略を形成し、国内の採掘を促進し、特に中国からの輸入への依存を削減する中で重要鉱物リストを拡大させている。
また19日にはWPIC第3四半期PGM需給報告が控えており、この報告では2026年の初回の報告を示す事から、3年連続の供給不足を指摘する可能性は高いと見られている。
特に先週には、スタンダードチャータード銀行のアナリストは「われわれはプラチナ価格が今後さらに高値を試し、深刻な供給不足は2026年も続くとみている」と述べ、英国の貴金属コンサルティング会社メタルズ・フォーカスは2026年のプラチナの平均価格予想で持続的な市場不足を背景に、年初には2000ドルを試し、1オンス:1670ドル(前年比34%増)を示している。
そのため一時NY白金は1700ドルを超える上昇を見せ、白金標準先物も2008年に付けた高値7427円を超え、8250円まで高値を試している。しかしNY白金の過去最高である2008年に付けた高値2302ドルには届いていない事から、2026年にはメタルズ・フォーカスも予想した様に2000ドルを試す可能性は強まると思え、金価格に比べ割安な白金価格も2026年には10000円を試す可能性は強まると思われる。
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