白金コラム
2026年8月24日(月)更新
10000円への回帰相場・・
田栗満 (岡地アナリスト、日経CNBC出演、週刊エコノミスト寄稿)
国内白金 週足

米国の債務残高が40兆ドルを超えるなど、10年間で債務は2倍に拡大している。特にトランプ大統領の政策で更なる債務拡大を続ける可能性は高く、国債の信用度が低下する状況でもある。
そのためか米国財務省は、19日に長期30年債利回りが19年ぶりの高水準に位置していた事を踏まえ、長期の名目利付債を対象とした流動性支援目的の買いオペについて9月9日から11月4日まで継続し、現行の20億ドルから40億ドルへ倍増を発表している。翌日にはベッセント財務長官がCNBCのインタビューで「40億ドルを超える可能性」も言及している。
また今回の処置は、ケンブリッジ大学の経済学者モハメド・エル=エリアン氏は、財務省の措置について「イールドカーブ・コントロール(YCC)ではないが、その方向への一歩である可能性がある」と述べ、「イールドカーブ・コントロールは、調整の矛先を債券市場から通貨市場へと移すことで、おそらく米ドルを弱体化させるだろう」と言及している。
特に貴金属はドル建てで取引されるため、一般的にドル安になると、他の通貨を使う買い手にとって貴金属価格が安くなり、価格を下支えする傾向もあり、財務省の発表以降、貴金属価格は大きく反発を見せ、NY市場では金価格が4690ドル、白金価格も1921ドルまで高値を試すなど、3日間で200ドルを超える上昇を見せている。
今回の処置は、金価格が最大の恩恵を受ける可能性は高いが、白金価格は3年連続の供給不足の商品でありながら、原油高や株価、金利高の悪材料で金価格の低迷を受け、3月以降は軟調な値動きを続いけていたが、行き過ぎた売り込みで一時7714円まで下値を試すなど、売られ過ぎの域から8000円~8500円、8500円~9000円、9000円~9500円へと価格レンジを切り上げ続けている。
また9月9日にはWPIC第2四半期PGM需給報告と2026年需給修正予測を発表する事から、供給不足の再確認と需要の伸びが示される様であれば、9月早々には9500円を固めて10000円への回帰を見せて来る可能性は高まると思える。
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